PDF/Aに変換すると何が変わる?
普通のPDFは、ファイルの外にあるものに頼っていることがあります。作成したパソコンにインストールされていたフォント、開いたときに動くスクリプト、パスワード、特定のプリンターでしか意味をなさない色などです。どれも、何年かたったときに文書の見た目が変わったり、開けなくなったりする原因になります。PDF/Aはこうした外部への依存をなくし、必要なものをすべてファイルの中に持たせます。
変換するとき、ツールは次のことを行います。
- フォントを埋め込みます。Helvetica、Arial、Times、Courierなど、ファイルに保存されていない標準フォントには文字幅の互換性があるフォントを埋め込み、すべての語が同じ位置に残るようにします。
- JavaScript、起動アクション、添付ファイルなど、アーカイブに残せないコンテンツを取り除きます。
- フォームのフィールドをページに固定します。記入した内容は表示されたまま、変更はできなくなります。
- PDF/Aでは暗号化が認められていないため、権限パスワードや印刷・コピーの制限を取り除きます。
- 色の定義がどこでも同じになるようsRGBのカラープロファイルを追加し、印刷用の色を使っているファイルにはCMYKのプロファイルを追加します。
- PDF/Aの識別情報と、それに合わせた文書情報(タイトル、作成者、日付)をXMPメタデータとして書き込みます。
ヒント: PDF/Aへの変換は最後の工程にしましょう。PDF/Aは変更しないことを前提にしたファイルなので、フォームへの記入、署名、ページ番号の追加、圧縮は先に済ませておきます。
PDF/Aが必要になるのはどんなとき?
作成してから長い年月がたっても、文書を読める状態にしておく必要があるときです。よくある例を挙げます。
- 税務関係の記録。請求書や帳簿などの書類は、何年も保存しなければならないことが多くあります。PDF/Aにしておけば、今のソフトがなくなったあとでも保管した書類を読めます。
- 応募書類や公的なポータル。応募システムや行政のポータルには、PDF/Aでのアップロードを求めるものがあります。保存したファイルがどの審査担当者にも同じように見えるようにするためです。
- 裁判や法律関係の書類。電子提出のシステムや法律事務所では、提出書類や証拠、署名済みの合意書にPDF/Aを推奨または必須としていることがあります。
- 図書館やアーカイブに保管される論文、報告書、社内記録。
提出先が「PDF」としか指定していないなら、普通のPDFで問題ありません。手順書でPDF/Aが指定されているときや、自分で長期保管用のアーカイブを作るときにPDF/Aを使いましょう。
このツールで作れるPDF/Aのバージョンは?
PDF/A-2bを作成します。パート2は、現在ほとんどのアーカイブが受け付けているバージョンです。透明効果、レイヤー、新しい画像圧縮をそのまま使えるので、古いPDF/A-1よりファイルが小さく、見た目もきれいです。レベルBは見た目が保たれることを意味します。レベルAとUは文書の構造や文字に関する追加の要件があり、既存のPDFのほとんどは満たせないため、ここでは提供していません。
結果はどうチェックされる?限界は?
変換のあと、ツールは新しいファイルをお使いの端末でチェックします。すべてのフォントが埋め込まれているか、カラープロファイルがあるか、PDF/Aのメタデータが正しいか、スクリプトや禁止されたアクションが取り除かれているか。このチェックに通ったときだけ、結果に「PDF/A-2bの準備完了」と表示されます。チェックの範囲は変換ツールが責任を持つ項目です。認証を受けた検証ツールではないので、正式な提出には受け取り側が指定する検証ツールを使ってください。
変換できないファイルもあります。ファイル内で壊れているフォントは準拠させられないので、その場合はPDF/Aのふりをしたファイルではなく、分かりやすいメッセージをお知らせします。無料の代わりがないフォントに頼っているページは、見た目をそのまま保つために画像に変換し、何ページが該当したかを結果でお知らせします。スキャンしたPDFも問題なく変換できますが、文字の画像のままなので、検索できるようにしたい場合は先にOCRをかけてください。